裏磐梯・猪苗代湖に遊ぶ平成10年12月 トンネルを抜ければ雪だったが,場所は,駒子のいた湯沢(川端康成「雪国」)ではなく福島・高速磐越道磐梯熱海の近く。昨夜降ったとの由。キズありでバ−ゲン価格よりさらに1万円ほど安い防寒効果大の靴を買い,スパッツも付け,保温下着の上下も揃え,スッポリと耳を覆う女性用かと思われかねない(男女兼用で買った)白い優雅な毛糸のシャッポも持ち,どう計算しても10枚は要る答になるホッカイロ(商標?断り無く使うとクレ−ムを受ける)を予備も見込んで12枚用意した。これで雪の今日に臨んだ甲斐があろうというもの。 現地での昼食後,柳沼で雪景色に挑む。雪に慣れない私には,雪が降ったり積もったりしている光景は,なにもかもが写真になると信じている部分がある。福岡・千葉に住み続けると,非日常的としか言いようのない白が圧倒する光景に出会う機会はごく限られているから,竹内さんの桜以上に私の写真デ−タベ−スの重要分類項目となる(筈である)。一時間の間に16枚撮った。一時間に 続いて,明朝の昇陽に備えて小野川湖にロケハンを行なう。中瀬沼から流れ出してくる川(この川はフォトジェニックな光景を随所にみせ,多くのカメラマンが愛する川。溯っていくとよい)に沿って湖畔に出る小道があるのだが,今回は道は膝下まで来る積雪の下にあり,以前の記憶と雪から葉先を出す枯れた葦の生え具合からの判断で,道と思しきところを広谷さん,鈴木さんの三人でラッセルした。一万円安の靴は好調でスパッツはその上の絶好調。危うく鼻歌を出しそうなほど楽しい雪道。「危険!入るな!東京電力」という看板を横目に見ながらそれを通りすぎ湖畔に出た。明朝日の出前の薄暗い凍てついた道路をよろよろそろそろと行く場所ではない。アイゼンを付けている本物の人は一握りもいない。第一,ヨシキスポ−ツの店員はアイゼンを買いなさいとは一言も云わなかったではないか。それでも猛者はいるだろうから,「自由行動だが,こんなところがありますよ」という紹介だけはしておこうという幹事長の決定となった。 帰途の撮影場所は猪苗代湖・西岸の崎川浜。鈴木さんが何度か訪れた白鳥の場所。古徳沼に比べ湖面の広いこと。これでは800mmが要るなと思った。しかしそれなりの白鳥の写し方があるので,35mmでもヤル人はヤルだろう。私の腕では,ダイナミックに,時には優雅に飛ぶ白鳥の姿は撮れず,またもストックに残る資格がなく即時ゴミ箱行きの写真ばかりとなった。ここで白鳥をモノにする人はエライと思う。二年程サボリ気味だった古徳沼だが,今シ−ズンはちょっと頑張って行こう。 忘年会も兼ねた撮影旅行,幹事の方々にお世話頂いたお礼を申し上げます。 以上 <1999年2月号「写羅句」掲載>index home |