「古徳沼で白鳥を撮る」の記(2)
−3月月例一席を頂戴して−


 3月提出の写真(題名:帰還)は,三脚を据えている私たちの方向の水面に向かって,上空から下降してくる白鳥の群れのなかの一羽を,AIサーボで迎え撃ったものである。白鳥の頭にピントを合わせ続け(これはウソで,ピントはカメラが合わせてくれている),5〜6枚の連写をしたなかで,一番手前の位置まできた彼(彼女?)の勇姿のカットである。

 背景の白いボケは,水面の鴨たちと太陽の反射光。はっきり写ると画面を汚くする鴨たちは,ボケ(f4.0,シャッタ−・オ一ト)となって自らの存在を殺し,格好のワキ役となってくれた。逆光のなかで,白鳥の大きな白い翼の水面への映り込みが,思いもよらない美しさをになった。ヨカッタナ!

 白鳥の白さがとばないように。水面が暗く落ちてくれるように。翼の白い影が水面に映えてくれるよう。鴨たちが面面に入らないように(鴨は本当は大好きだが,この時は)。…水面近くを飛ぶ白鳥を撮るときの,光に関するの私なりの注意事項。ほとんどうまくいったタメシがないのだが,この一枚はうまくいった。トイウコトハ,“コノ結果ハ偶然ノ産物デハアリマセン”トイウコト。
 ここまでは運が味方してくれたが,フレーミングについては,若干,間題がある。それは,彼(彼女?)の位置が,画面の下(シタ)すぎること−従って,翼の白い影が下に詰まってしまったこと。その原因は,カメラのメカニズムにある。−−ではなく,カメラを使いきれでいない私の未熟さにある。

 測距点ガ,ファィンダ−面面ノ真ン中二,横一列ニズラリト並ンデイレバ,ソノ測距点ノドレカデ,主被写体ヲ追イカケルノハ,当リ前ノコトデハナイカ!

 私は,白鳥の頭が,大きな体の一番上についていることを忘れていた。ただびたすら,頭を測距点で追いかけた。飛んでいるときは,頭は,下がっても胴体の下には行かないのだ(イカナイヨネ!)。その結果,頭と胴体が面面の真ん中にきて,その下に翼の白い影ということになった。白鳥は,水面に近づくにつれて首を縦方向に伸ばし(頭が上がる),着水の姿勢をとる。だから,着水真近かまで測距点で頭を狙い続けると,翼の映り込みどころか,胴体もフレームに入らないことも生じる。
次のEOS一1NN(?)では,ナントシテモ,「測距点上下配置」を実現してもらわなければならない。そうでないと,私の白鳥はいつも“下積み”の悲衰を味合うことになる。

                                               <1995年6月号「写羅句」記載>


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