撮 影 日 記
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| 平成12年11月12日,13日:中津峡(埼玉県奥秩父)の紅葉 奥秩父は初めての地。その中心地・秩父市は12月初めの「秩父の夜祭り」のある場所として,つとに有名である。当夜は20万を越える見物客で,近隣の宿は前のの年からの予約客でビッシリと詰まっているという。そしてこの地の夜の冷え込みは大変なものだそうである。初冬のつもりで出かけた都会人 は,冬支度をしてこなかったことを悔やむという。やはり私のような怠惰な人間の行くところではなさそう。荒川の上流の一つである中津川の渓谷・中津峡は,紅葉真っ盛りであった。昨日立ち寄った三峰山の中腹・三峰神社では,楓の見事な彩色を見たが,この山間では,落葉樹の黄,茶,赤の連なりを楽しむ。その中に杉の緑があれば,絶妙のアクセントとなる。高い斜面には,時折金色に光る唐松が点在し,斜光や逆光を受けたとき,一段の輝きを見せる。 中津峡の入り口近くに来ると,山肌 剥き出しの工事現場が現れた。大形の重機がゆっくりと動き,渓谷に進んでいけば,鉄骨を組んで山道を広げ,重機が山間の奥に入るようになっているところもある。ダムを建設中という。この豊かな自然に,ダムである。首都圏の水対策の一つであろうが,やはり釈然としない。貯水が始るまでまだ10年はかかるだろうとのことで,今日明日の話ではないが,この美しい渓谷はなくなるのである。渓谷沿いの道からはるかに高い山腹を見上げれば,新しい付け替え道路の工事が進んでいる。私は10年後の湖底を走っているのである。その日の中津峡は水が豊かとはいえず,渓谷の佇まいも被写体として目を見張るところが少なかったのだが,紅葉の多彩な色彩が流れに映り込む場所が何ヶ所かあり,私の写真ストックにバラエティが少し増えた。 back index next |