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撮 影 日 記
平成15年4月 その1
平成15年4月8日〜11日:京都・奈良
郷里での法事を済ませ,帰路,桜の京都・奈良に遊ぶ。
京都:
今までに数回は訪れた京都であるが,出張の合間だったり,どこやらから帰りの数時間の途中下車だったりで,いずれもあわただしい京都であった。今回は午後から翌日の夕方までの時間をとったので,たとえ一箇所でもゆるりと過ごすことが出来る筈である。しかも桜の京都は今回が初めてで,心ときめく京都であったが,実際のところは,尋ねるところについての万端の準備があった訳ではなく,旅行案内書・地図を握りしめた紛れようのない観光客であって,またもあわただしい二日を過ごすという予感に満ちた京都行だった。
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| 夕日差し込む清水寺 |
ホテルで荷を解くやすぐさまEOS 10Dをぶら下げて,まず妻の第一希望の知恩院にお参りし,その後そこらじゅうを歩き回り,円山公園の夜桜をカメラに収めて一日目を終え,翌日は一般公開初日の京都御所を皮切りに,醍醐寺まで足を伸ばして,夕刻に奈良に向かった。ゆるりとしたのは,高台寺脇の出店の縁台でおでんを食したときと,朝6時頃から小一時間の鴨川べりの散策であっただけの,ご多分に漏れないカミカゼ観光客であった。
訪れた場所の桜は,概ね満開を一日か二日過ぎたところで,散り積もった花びらに惜春の哀れと,散ってもなお自己を主張する桜の強さを感じた,盛春を過ぎた京都であった。
奈良・吉野山:
平成10年に奈良を訪れたときも桜の時期で,お目当ては吉野山であった。だがあの時は,土地の方がこんなことは何十年ぶりと仰ったように,花が平年より10日以上早く散った年で,吉野山は上千本も葉桜であった。今回は,下千本は見ごろ,中千本は4,5分,上千本は開き始め,奥千本は蕾という状況。ほぼ一ヶ月をかけて下から奥に花前線が上っていく吉野山であるから,全山が一時に満開の花に埋まることはないが,それでもあと4,5日後だったら,見上げても見下ろしても,桜風景はもう少しは見事であったろうと,悔やまれる。
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| 吉野山中千本より |
奥千本入口の金峯神社から近鉄吉野駅までの下りを,あちらに寄りよりこちらで休み,2時間かけて歩いた。全工程を歩いたのは,特に桜風景を見下ろす形で広角で撮りたかったためであるが,いい場面に遭遇できず,何処で撮っても同じの桜写真の量産となった。締めくくりは金峯山寺蔵王堂。修験者の吹くほら貝をBGMにして,豪華な桜の下を歩き回った。
奈良・神社仏閣巡り:
最後の日は,レンタカーを借りた。妻が行きたいと言うところをつなぎ合わせると,カーナビ付きレンタカーを使うしかない。ホテルの近くの東大寺や春日大社などは前回訪ねたので今回はパス。まず北上し浄瑠璃寺(京都府)。南に下って聖林寺・談山神社(桜井市)。また北に向かい斑鳩町の法隆寺。小雨が降り続く大和路の8時間(約100km)であった。談山神社の十三重塔は,ようやくほころんだ桜を脇に従え,小雨のなかに佇んでいた。辺りの鄙びた風景に溶け込んだ浄瑠璃寺・聖林寺の風情も忘れがたい
法隆寺五重塔
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。いずれも桜が不可欠の点景である。法隆寺は,静けさの極みのなかにあった。見物客の話し声も,小雨のしじまの中に吸い取られて,砂利を踏む音だけが心地よい。百済観音には,正面よりも側面に優美さとモダンさを見た思いである。境内の至る所に咲く桜は見頃をやや過ぎており,散って雨に濡れた花びらが美しい。西院伽藍の回廊の角に咲く桜,東大門から南大門に向かう道の土塀に沿って立ち並ぶ桜が,特に脳裏に焼き付いている。
この日もカミカゼ観光客に違いなかったが,ほぼ計画した通り順調に動くことが出来たことと,小雨の静けさが気分を落ちつかせてくれたのか,京都での気ぜわしさはなかった。しかし正直なところ,京都から乗る新幹線の時刻がちらついたのも否めない。次回は,うらうらとした春の大和路を,レンタカーでもっとのんびりと走り,もっとゆったりと歩き回りたいものである。
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