スイス・アルプス紀行 U

シャモニー:ブレヴァンやモンタンベールで山景色に浸る:2004年7月2日


  5時半,朝焼けに赤く光るモン・ブラン西側の山の一部分が雲間に見える。見る間に雲の形や色が変化し,雲の移動につれて主役交代もさながらに見え隠れする山も移り,眼前の朝焼け光景は千変万化である。やがて雲や残雪は淡いピンクの朝焼けに変わり,そして白く輝く峰や岩肌の針峰が立ち並ぶ本来のモン・ブラン山群に落ち着いた。この間30分くらいである。昨日から当地は久しぶりの好天であるとのこと。今日も山は機嫌が良さそうとの予感あり。
 午前中は
ブレヴァンから。左がモンブラン
,ブレヴァン展望台(2,525m)へ。シャモニーの谷を挟んでモン・ブラン山群と向かい合う場所。天気は良いのだが,モン・ブラン山群は何せ3,000〜4,000m超級の山が連なるところ。雲は山にまとわりついてしばし戯れ,一群の雲が去ると,次が現れ山の頂きが連なる眺望を消す。見えた! 消えた!と一喜一憂しながら,EOS 10Dはメモリを減らしていった。
 ブレヴァンは,ロープウェイが故障で行くことが出来なくなったエギューユ・デュ・ミディ展望台の代替地。山が眺められればどこでもいいよ,という気持ちであったから,かの著名な場所にいけなかったことに心残りはない。・・・と書くとは,そうでもないということか。
 街に下りる途中の道で,のどかな光景が目に入った。道端にリュックサックが5個並んで休憩している(写真)。背景の家はレストラン。これらの持ち主5人は,ここで食事をとっているのだろう。狭いレストランに持ち込まないということなのだろうが,置き引きなど念頭にない,おおらかなハイカー達である。山はこうでなくては,と一人合点した。昼食はシャモニーのレストランで。私たちは,全員がリュックなどを店内に持ち込んだ。
 午後は,モンタンベール展望台(1,909m)へ。ここは,モン・ブラン山群のほぼ中央を下り落ち
正面奥 グラン・ジョラス
るメール・ド・グラス氷河に対峙し,氷河の奥にグラン・ジョラス(4,208m)が屹立する絶景ポイントである。展望台左手(東側)には,針峰のドリュ(3,754m)が奇怪な姿で聳える。勿論,これらの景色全部を瞬時にものにした訳ではない。例によって,見えた! 消えた!と数十分間の大騒ぎの中で,上記をカメラに収めたのである。
 グラン・ジョラスの雲間からの出現のさまは,見事であった。多くの人は,山は雲がかからず山頂までク
ドリュ  左の高い頂き
ッキリと見えるのが美しい姿で,写真もそのように撮るべき,という。私は,そうとは思わない。雲が走り,姿を変え,頂きや山腹が見え隠れし,まるでいくつもの山を眺めているかのように山容が移っていくのが好きである。山の姿の神秘性や奥深さも,そういうところから生まれる。だから,私の目の前でそのようにパフォーマンスを演じてくれたグラン・ジョラスは,最高の景色となった。ドリュの現れ方も,そうであった。頂きには薄い雲がまとわりついて離れないのだが,奇岩の峰の名にふさわしい山姿を堪能したのである。
 
 明日は,ベルナー・オバーラントの山岳ホテルのシャイデック・ホテル泊り。スーツケースは明朝,明後日泊のグリンデルワルトに向かってしまう。一泊分の荷物をリュックに詰める。長いほうのレンズ,どちらに入れようか?

                 写真集スイス・アルプス U

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